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3.2低公害性の評価

路線バス車両の低公害性の評価は、一般に法定モードでのエンジンの試験によってなされている。しかしながら、実走行時の排出ガス・燃料消費は、走行の道路環境や運転操作によって大きく変化する台上試験において、実走行時の模擬を行って、排出ガス、燃料消費を検討することは可能であるものの、試験は大かかりとなり、運転はあらかじめ設定したモードによるものとなる。また、測定項目によってはひとつの走行の総量のみしか、情報が得られず、時刻歴データを検討できないものもある。このような背景から、模擬装置により検討が行えることが望ましいと考えられ、排出ガス評価が可能なドライビングシミュレータを製作して、種々検討を試みることにした。
(1)ドライビングシミュレータの概要
本装置の目的は、運転操作・車両特性、道路環境によって、排出ガス・燃料消費がどのように変化するかを評価できることである。従って、これらに関連する部分はなるべく詳細に扱い、そうでない部分は簡略化することを心がけた。全体構成は図3.2-1の通りで、運転操作系(ステアリングホイール・アクセル・ブレーキ・クラッチペダル、変速レバー)は実車(中型トラック)の運転席を流用して用いた。計算機は2台使用し、PC(パソコン)は各操作量データの取り込み・車両運動計算、排出ガス等の計算に用い、WS(ワークステーション)はスクリーンに描写する描画計算専用としている。なお、速度メータとタコメータは、実車のものを用いずに、PCのディスプレイに表示することとした(図3.2-2参照)。
計算モデルは、駆動系モデル・車両運動モデル・排出ガス量および燃料消費計算モデル、蓄圧式ハイブリッドシステムモデルから構成される。
駆動系モデルは、エンジンで発生したトルクが、クラッチ(またはトルクコンバータ)、トランスミッションを経て車体に伝わっていくものとし、変速の動作はなるべく忠実にモデル化し、その他は極力簡単化したモデルとした。計算は、エンジン、車両を回転体と見なして運動方程式をたて、オイラー法にて逐次計算していくものとした。
車両運動モデルは、平面2輪モデルを用いた。
排出ガスの評価は、特に問題となっているNOxと黒煙(ドライスート:DSと略称)の排出量を定常状態におけるデータより構築したマップから読み込み、各爆発ごとに算出する。過渡状態においては、シリンダ壁温の差などにより、厳密には排出量は異なると考え

 

 

 

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