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(2)カーフェリーの事例
前述の表1.3−1の船舶Lについて現地調査を実施した。
?調査方法
車いすを持ち込み、フェリーへの乗船手続きを行う建物へのアクセスから、建物内部、建物からフェリーへのアクセスとフェリー内部のアクセスをビデオにより記録した。また段差等は必要に応じて実測した。
調査した船は、1994年に就航した、旅客定員926名、全長195.4m、総トン数20,554トンで、小樽−新潟を運行している。
?調査結果
a. 建物へのアクセス
フェリー乗り場までタクシーで乗りつけると、図1.3−2に示すように、スロープが設置してある。スロープは長さ1lmで勾配は、3/1,000で建築基準の1/12をクリアしている。正面入り口には、16cmの段差が2段ある。
建物への入り口は、2重のドアーになっている。外側は、押しドアーで、内側は、自動の引き戸になっている。押しドアーは、車いす使用者が押し開くにはかなり困難である。そしてその幅は、車いすがぎりぎり通れる69cm程であった。
b. 建物内部の状況
乗船受付カウンターは高さが110cmあり、車いす使用者を配慮したテープル高さのカウンターは無かった。
建物は3階建で、2階が休憩室、3階が乗船口となっている。2、3階へは、階段、エスカレータとエレベータが設置してあり、車いす使用者・高齢者への配慮がなされていた。エレベータは、1台が乗れる広さであった。
情報の提示は、1階に行先、出発時刻、車両と旅客の乗船時問が表示されていた。聴覚からの情報は、館内放送で行われていた。ただし、聴覚・視覚障害者への特別な配慮は無かった。
車いす使用者が利用できるトイレは、2階に1ヶ所設置されていた。広さは、270cm×240cmであった。
c. フェリーへの乗船
車両で乗船する場合は、図1.3−8に示した乗り込みスロープを利用している。

 

 

 

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