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1.2 鉄道及びバスの「人へのやさしさ」の評価

前節の累積ストレス評価法を適用して、電車およびバスで移動する場合について、評価した例を示す。ここでは、例えば、駒場(目黒区)から新橋駅前(港区)までを図1.2−1に示す経路で移動することを想定する。

 

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図1.2−1 駒場から新橋までの経路

 

健常者にとって「バス」利用は「遅すぎる」、「高い」と不都合な点が目立つことに対して、高齢者にとっての「バス」利用は「電車」利用に比べて「障害度」が極端に少なく、健常者ほど時間に急いでいない点からも、1つの魅力的な選択になっている。
表1.2−1より、次のことが指摘できる(表の最下段「身体疲れにおける骨折り仕事量の割合」参照)。
?高齢者にとって、低床バスの導入は、外出のストレスを20〜30%削減する
?高齢者にとって、鉄道駅の完全バリアフリーの実現は、外出のストレスを60〜70%削減にする
ただし、?の「鉄道駅の完全バリアフリーの実現」は、例えば全駅へのエレベータの増設など、対応が難しい内容を含んでいると考えられる。
(参考:健常者の倹約指向係数が1.0のため、算出された疲労やストレス値の単位はおよそ「円」とみなせることができ、結果の整合性を判断する基準になると考えられる。)

 

 

 

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