4.2アプリケーションシステムの開発 GPMEでは組立産業全般の共通オントロジを実装したフレームライブラリを提供している。またオントロジを定義するためのツールであるOntoEditorや定義されたオントロジをスキーマとするプロダクトモデルデータベース(PMD)の内容を検査、編集するツールであるProdEditorを提供している。これらのツールを利用することによって、利用者が対象とする業務全体をカバーするプロダクトモデルの構築が可能となる。 プロダクトモデルは、各製造工程、部署、企業間でコミュニケーションするための一種の言語であるといえる。共通の言語を利用することにより、従来人手に頼っていた部分を自動化したり、不要な翻訳の手間を省略することができる。その結果、製造コストの削減や得意分野を生かした共同開発など製品の品質向上が可能となる。 このようにGPMEはプロダクトモデル構築のための環境であり、実際にデータの生成、変更、削除はアプリケーションを経由して行われる。従ってGPMEをべースとしたシステムを構築するためには、新規開発、既存システムの利用を問わず、アプリケーションシステムとプロダクトモデルをどのようにリンクするかということは非常に重要である。ここでは、リンク方法に着目したシステムアーキテクチャの種類や構築例について述べる。 4.2.1GPMEを用いたアプリケーションシステムアーキテクチャ (1)GPMEオントロジー利用を前提にした直接リンクによるシステムアーキテクチャ APP処理プログラムが直接PMAP−APIを呼び出しプロダクトモデルを操作する方式である。このアーキテクチャは他のアーキテクチャと比較して、自由度の高い機能の実現が可能となるが、新規開発のアプリケーションに限定される(図4.2−1)。 (2)データ変換が必要な直接リンクによるシステムアーキテクチャ APP処理プログラムは独自のデータモデルを持っており、プロダクトモデルにアクセスする必要がある場合はデータ変換ライブラリを仲介として直接PMAP−APIを呼び出す方式である(図4.2−2)。 (3)GPMEで提供する標準形式ファイルを利用した間接リンクによるシステムアーキテクチャ APP処理プログラムは独自のデータモデルを持っており、プロダクトモデルとはGPMEインスタンスインポート/エクスポート機能により生成される中間ファイルを経由してやりとりを行う方式である(図4.2−3)。 前ページ 目次へ 次ページ
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