3.4.2排出システムの製作
1)排出システムの構成
試作システムに使用する排出システムの主たる構成は次のとおりである。
a.排出機器
b.大気放出機器
C.制御機器
排出ポンプの仕様を表3.4-1と表3.4-2に示す。加圧方式はプランジャー式でシール構造はグランドパッキン方式である。この方式は高圧化が容易で信頼性が高いものの定格吐出量の0.5%程度のリークは避けられない。リークを0にするにはダイヤフラム方式が実用化に最も近いが高圧化と信頼性に難点がある。実船でここで選定した凝縮炭酸ガスポンプを使用する場合は船外配置を含めた検討を行えば基本的には問題なしと考える。このポンプの結線図を図3.4-3に示す。
なお、大気放出機器と制御機器は凝縮系を一部代用しているので3.3項を参照のこと。
2)排出システム製作
排出系の配置配管、排出ポンプの外観及び断面を図3.4-4〜図3-4-6に示す。
なお、ハイドレート生成観察部の組立を図3.4-7に示す。また、これら製作した排出系試験装置全体と制御盤を写真3.4-1と写真3.4-2及び写真3.4-3に示す。
3.4.3凝縮・排出組合せ試験結果
1)排出ポンプの流量特性試験
(1)試験方法
凝縮系の凝縮炭酸ガス分離器出口のラインを市販の液化炭酸ガスボンベに変更すると同時に凝縮水分離器内には水を詰めて海中排出ポンプに接続した。このような方法にてそれぞれの排出ポンプ周波数と流量、吐出圧の関係を試験した。
(2)流量特性試験
排出ポンプとして凝縮炭酸ガスポンプと凝縮水ポンプを使用する。2台のポンプの流量特性を周波数を変えて試験したのが図3.4-8である。その結果、吐出圧力として350,500,600,700kg/cm2と変えて試験したがプランジャ形式を採用しているため、図に示すようにその差は殆どなかった。
また、最低流量は凝縮水で9kg/h、凝縮炭酸ガスで7kg/hに対し、最大流量は凝縮水で51kg/h、凝縮炭酸ガスで40kg/hである。この事から周波数による流量制御を行えば凝縮系分離器の液面制御がある程度可能との見通しを得た。
2)凝縮・排出組合せ試験
(1)試験方法
凝縮系と排出系を接続させるため凝縮したものを排出しないとガスが導入出来ない。このための排出系としての対策が凝縮炭酸ガス分離器と排出ポンプを接続するサクションでガス化させないように冷却装置を増設した以外には特別に用意したものはない。
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