
報告
国際燃焼機関会議(CIMAC)潤滑油
ワーキング・グループ会議に出席して*注)
塚本達郎**
1. はじめに
本学会の技術者派遣事業の一環として、9月26日、27日にイギリスで開催されたCIMAC WG“Lubricante”会議およびCEC ILO47会議に出席する機会を得たので、その概要について報告する。両会議会場となったのは、ロンドン郊外のクロイドンにあるロイド船級協会のビル(Lloyds Register House)である。ロンドン中心部のビクトリア駅からガトウィック空港方面へ向かう列車に乗って南下すると、15分ほどでイーストクロイドン駅に到着する。この駅から北西へ徒歩10分の距離に位置する緑色のガラス張りのビルがLloyds Register Houseである。

図1 ガラス張りのロイド船級協会のビル
CIMAC WG“Lubricants”は、潤滑油の取り扱い等に関する規格を作成することを目的に設立され、すでに1994年に中速ディーゼル機関の潤滑ガイドラインが発行(CIMAC No.13)されている。現在の活動の中心は、2サイクル低速機関の潤滑ガイドラインの作成作業である。日本国内では日本内燃機関連合回がこのWGのメンバーになっており、当学会の燃料潤滑研究委員会が実務の委託を受けている。筆者は燃料潤滑研究委員会の幹事をさせていただいている関係で今回の会議に出席することとなった。また、CEC IL−047(欧州共同評議会潤滑油調査部会)は、潤滑油の性能や試験方法を調査研究することを目的としており、出席者が重なっていることもあって毎回CIMACのWGと一諸に開催されている。

図2 筆者(ロイド船級協会のビルの入り口で)
2. CIMAC WG会議の概要
今回の出席者は、日本からの3名(筆者の他に、ウェストファリアセパレータ(株)の武藤幸夫氏、三菱重工業(株)ミュンヘン事務所の岡部雅彦氏)を含め
*原稿受付 平成8年11月26日
**正会員 東京商船大学助教授(江東区越中島2−1−6)
注)本事業は、日本財団の補助金を受けて実施したことを広く会員に報告するもので、同会に深く感謝の意を表します。
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