(3)解熱鎮痛消炎剤
1. 痛みの神経を遮断する
痛みの刺激を脳に伝える経路をどこかで断ち切る鎮痛作用と同時に、脳にある体温調節中枢に働きかけるので解熱作用もある。解熱鎮痛消炎剤は、アスピリンやアセトアミノフェンが主成分である。これが効くのは頭痛・歯痛・生理痛・筋肉や関節の痛みなどで、胃腸など内蔵の痛みなどには効かない。
2. 痛みや発熱は体の危険信号
痛みや発熱は体の異常を示す危険信号で、歯の痛みが虫歯が進行した証拠であるように、痛みや発熱には何か原因がある。薬で症状を抑えてもその原因まで治らない。1〜2回服用しても症状がおさまらないときは、医師に診てもらうか、または医療通信で相談する必要がある。
3. 胃腸障害の副作用に注意
解熱鎮痛消炎剤は、胃腸の痛みには効かない。もし胃の痛みを治そうとして飲むと、さらに痛みがひどくなることがある。これらの薬には胃腸を障害する副作用があるので、胃の病気がある人には刺激が強過ぎるのである。
(4)アレルギー薬
1. アレルギーが起こるわけ
私たちの体内に外部から抗原となるもの(花粉・薬物・チリなど)が侵入すると、体質が敏感な場合は抗体がつくられる。いちど抗体ができたあとに再び似たような抗原に出会うと、体内で抗原抗体反応といって、細胞内に貯えられていた活性物質(ヒスタミン、プロスタグランジンなど)が遊離してさまざまな症状を引き起こす。これをアレルギーといい、花粉症で鼻みずが止まらない、薬物で皮膚に発疹やかゆみがでる、というのもその一種である。
2. 抗ヒスタミン剤が中心
一般にアレルギーといえば、鼻炎や鼻みずが多くなる。これは体内にできるヒスタミンによって引き起こされる。市販の鼻炎用の薬には抗ヒスタミン作用のあるクロルフェニラミン系統のものなどが使われる。かぜをひいたときの鼻みずも、花粉症の鼻みずも同じアレルギー性の反応なので、クロルフェニラミン系統の薬はどちらにも効く。
3. 抗ヒスタミン剤の副作用
抗ヒスタミン剤で眠くなることがあるので、これを飲んで車を運転するのは危険である。運転や機械類の操作をするときは服用を避けるのが原則である。
4. 使い過ぎると症状を悪化させる
血管収縮剤は鼻粘膜の充血やはれをとる作用があり、つまっていた鼻もスーツとする効果がある。しかし繰り返し使っていると二次充血を起こして、かえってひどくなることがある。薬の使用は、よほど苦しいときに数回使うだけにして、症状が改善されたら止めることが必要である。
5. 自己診断に頼らない
アレルギーは根本的な原因をつきとめ、それから身を守るのが原則。また、市販の薬でもつよい成分を含むので、長期連用すると副作用が心配である。医師または医療通信の診断を受け、薬の服用を指示してもらうことが大切である。
前ページ 目次へ 次ページ
|
|