第1部
第2期「21世紀セミナー」
1.「21世紀セミナー」の趣旨
「21世紀セミナー」(The21stCenturySeminar)は、日本の各界を横断した大局的議論のための討論の場を用意し、もって日本社会特有の縦割り・蛸壷構造を克服し、さらには国境を越えて一体化しつつある世界との対話をめざし、もって日本の長期的な政策提言・発信能力を強化する方途として、 (1) 日本の政界、経済界、官界、学界、言論界等、各界の人材の参加を得て、1年間にわたって21世紀を展望する長期的視点から特定テーマを取り上げて徹底的に討論する機会を設けること (2) その成果を、さらに海外のカウンターパートとの対話に発展させ、世界からのインプットおよび世界に向けてのアウトプットを試みることを目的として、日本国際フォーラムの主催、読売新間社の協賛、日本財団の助成により、企画、実施されているものである。 2. 第2期「21世紀セミナー」の概況
1995年9月より1996年8月にかけて実施された第2期「21世紀セミナー」の活動の概要は、以下のとおりであった。 (1) テーマ 「21世紀セミナー」では、第1に21世紀に向けた中長期的な展望をもっており、第2に全世界的、全人類的な政策課題の文脈の中にあり、第3に日本の役割や関わり方を問い直すものである、という3つの条件からテーマを選択している。 第1期(1994年9月〜1995年8月)では、プロジェクト全体の総論として文明論の視点から「国民、文明、人類:21世紀を動かすもの」(Nation、Civi1izations and Humanity in the 21st Century)が取り上げられたが、それを受けて第2期では、各論として安全保障の視点から「21世紀における国際的安全保障の枠組みの展望」(Per-
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