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まえがき

この最終報告書は、日本国際フォーラムが、国際交流基金の後援、読売新聞社の協賛、日本船舶振興会の助成を受けて、1995年9月から1996年8月にかけて実施した2つの活動----国内的な対話と国際的な対話----を総括する報告書として作成された。国内的な対話とは第2期「21世紀セミナー」(The 21st Century Seminar)の活動を指し、国際的な対話とは第1回「汎アジア・コロキュアム」(The Pan−Asian Colloquium)の活動を指す。
第2期「21世紀セミナー」とは、1995年9月から1996年8月まで東京および箱根において実施された各界横断的な対話活動を指し、そのテーマは「21世紀における国際的安全保障の枠組みの展望」(Perspective of Intemational Security Framework in the 21st Century:Global and Regional)であった。政界、経済界、学界、言論界などの各界から21名が参加し、1年間にわたり真剣な討論を行ったあと、『21世紀世界の平和と秩序を求めて』(PeaceandOrderinthe21stCentury)というアピールを発表した。
他方、第1回「汎アジア・コロキュアム」とは、1996年3月24日から26日にかけてクアラルンプールにおいて開催されたアジア諸国の知識人の対話活動を指し、その際のテーマもまた「21世紀における国際的安全保障の枠組みの展望」であった。
この対話には、「21世紀セミナー」が作成した前述の「アピール」が対話の基礎資料として提出された他、マレイシア側からも2つの討議資料が提出され、「大国間協調から対等国間協調へ」「地域安全保障の枠組みと紛争解決の展望」のアジア諸国の知識人による知的対話・政策対話の出発点となった。
このようにして、第2期「21世紀セミナー」と第1回「汎アジア・コロキュアム」とは、もともとはそれぞれに独立した別個のプロジェクトでありながら、同時に当初より相互にその活動過程がリンクされ、その効果において相乗作用が期待されていたものである。

 

 

 

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