10. まとめ
「船舶関係諸基準に関する調査研究」の成果について報告を行い、本会会員はじめ広く海事関係者に基準の内容について十分な理解をいただくとともに、各種基準の円滑な実施に際して少しでもお役に立てるよう、平成8年度においても東京、長崎、神戸の3会場で研究成果報告会が開催され、計約600名の参加者があり、基準の公知を図ることができた。
本年度の報告テーマについては、近年、海事関係界で話題を巻き起こしている重大事故の防止に関するIMO基準として、「RO/RO旅客船の復原性等の問題」並びに「バルクキャリアの安全性対策課題」が選ばれ、さらに今後も需要の拡大が予想される「高速船」の構造基準についての解説がとりあげられた。
また、東京会場においては、「今後の安全基準のあり方」と題するパネル討論が企画され、「機能要件化と数値基準」の比較、「ヒューマンエラー防止」の観点、及び「既存船に対する新基準適用」の問題点等についての活発な意見交換が行われた。“生きた基準”の作成とその運用が望まれる今日の海運・造船関係者の意向を反映する場として有意義な機会であったと考えられ、さらに今後ともこのような計画が実現されることが期待される。
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