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4.2 載荷状態の違いによる運航性能の評価

A船及びB船さらに本研究部会で提供された試験結果を基に、載荷状態の違いにより運航性能がどの様に変化しているかを調べ、バラスト状態あるいはヘビーバラスト状態から満載状態の操縦性能を推定するための方法を検討した。ただし4.1節でも述べたように、この方法では推定精度がデータの精度に左右され、高い精度での推定は難しいものと考えられるため、簡便さを優先し推定精度は見当をつける程度のものとした。
検討は、±35°旋回でのAdvance,Tactical Dia.、10°/10°Zig−Zag試験での1st及び2nd OvershootAngle並びに20°/20°Zig−Zag試験での1st Overshoot Angleに対して行った。なお、本検討に用いた船型は、L/B=abt.5.4〜6.7、B/d=abt.2.6〜3.4,CB/(L/B)=0,123〜0,152のBluk Carrier及びTanker船型の10船型であり、これらのうちA船のみが逆G船尾であり、他は全てマリナー船尾である。またバラスト状態あるいはヘビーバラスト状態での試験は、満載状態の44%〜67%の排水量で実施されている。
検討の結果、図4.2.1に示すように、トリムの影響を考慮したパラメータ

019-1.gif

(γはトリム(m)を、dmは平均喫水を意味する。)を選び、以下のような推定式を作成した。すなわち、

019-2.gif

これらの推定式による値と試験結果との比較を図4.2.2に示す。これらの図から見ると、推定値と試験結果の誤差がほぼ±0.5L及び±5°以内となっており、バラスト状態あるいはヘビーバラスト状態の運航性能から満載状態の運航性能を大まかに推定するという方法の可能性を示すものと思われる。

 

 

 

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