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図5.1.3.2 SR196C船型のプロペラ面位置における計測結果

 

5.1.4 流暢推定法構築・評価
(1)流場推定法構築
乱流モデルのチューニング(改良)、格子生成法改良、NSコードの改良の3つの課題について研究し、推定法を開発した。さらに、設計への応用を考慮したPost処理法の研究を行い、全体的にまとめて洗場推定法を構築した。
(a)乱流モデルとチューニング
パラメータスタディ等により、NICE法で用いられているオリジナルのBaidwin−Lomaxモデル(以下、BLモデルと略称)では船尾縦渦を過少評価するので、乱流モデルの改良が必要であることが明らかになった。
そこで、本SRでは、縦渦の中心位置および逆圧力勾配の流場では乱れが減少するという現象を考慮可能にすることに主眼に置いて、模型試験で得られたレイノルズ応力分布と比較しながらBLモデルのチューニングを実施し、現象に応じた各種モデルを考案した。
( 剖??鎖螢皀妊襦ハBL(CF)モデル)
・BLモデルでは渦動粘性係数を渦度の絶対値に関連づけていたが、これを勇断渦成分のみの大きさに関連づけるようにした。
・縦渦成分が占める割合を求め、これを用いて渦動粘性係数を強制的に減衰させた。この修正により、縦渦の中心位置近傍での渦動粘性係数を小さくすることが可能になる。
(◆傍娑砧聾?曚旅洋検ハBL(PG)モデル)
このチューニング(以下、BL(PG)モデルと略称)では、圧力勾配(Pressure Gradient)が正の場合に勇断応力がその分だけ減ると仮定している。これにより、軸対称物体周りの流場でも、船尾近傍で乱れが小さくなる現象が推定可能になる。
(?忘能?船紂璽縫鵐哀皀妊襦ハBL(CF+PG)モデル)
最終チューニングモデル(以下、BL(CF+PG)モデルと略称)では、上述の2つのチューニングをカップリングした。これにより、縦渦の中心位置および正の圧力勾配の領域で乱れが減衰する効果を取り入れたことになる。

 

 

 

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