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5. 荷重・応力計算法の検証
5.1 SHIP A
5.1.1 船体運動・波浪荷重
ここでは、Ship Aの船体運動、波浪荷重に関する計算結果と実船計測結果との比較を行う。比較は、短期および長期べースで行う。Ship Aは、8次航までの計測が行われているが、7次航(東京←→北米Oakland)が比較的荒天時のデータが取得でぎているので、7次航に関する計算値と計測値の比較を行う。この船の船速は24?、状態はFull Load Conditionである。
船体運動・波浪荷重の周波数応答関数計算は、ストリップ法(OSM)を用いて行った。流体力計算は、Ursell-田才法、横揺れ減衰係数は、M係数を用いた。短期、長期予測計算は、福田法を用いて行った。波スペクトルには、ISSCスペクトル、方向分布はCOS2分布を用いている。
(1)短期予測
短期べースでの計測値の整理には、海域の波の波高と周期が必要となる。これを得るための方法としては、I)目視による方法、?)船側の相対水位データから、船舶技術研究所で開発された手法により得る方法(波高計による方法)、?)波浪推算をべースとした海象調査による方法、の3方法がある。船体加速度、Roll、Pitchおよび波浪変動圧の標準偏差に関して、これら3方法による波浪で整理した計測値と計算値とを出会角30度ピッチで比較した。それらを整理すると以下のようである。
(a)船体加速度
目視による波浪で整理した計測値と計算値は比較的一致している。波浪推算による波浪で整理した計測値は計算値よりやや小さい。波高計による波浪で整理した計測値は計算値とよく一致している。(図5.1.1−1)
(b)Roll、Pitch
3種の波浪の内てば、波高計による波浪で整理した計測値が、他の2つの方法に比べ、計算値との一致度はよい。(図5.1.1−2、図5.1.1−3)
(c)波浪変動圧
計算値と計測値を比較すると、計算値が計測値よりも大きい。計測値は3種の波浪を用いた場合を検討したが、どの場合に対しても計算値が大きい。水面近くの計測点では、圧力波形が半波となるため、計算値と計測値の差が特に大きい。(図5.1.1−4)
(2)長期予測
長期予測計算に用いる波浪発現頻度は、シップ・アンド・オーシャン財団のものと、計測結果の2つを用いた。船体加速度と波浪変動圧に関する計算結果と計測結果を比較を整理すると以下のようである。
・波浪発現頻度としては計測値を用いる方が、計算値と計測値の一致度はよい。シップ・アンド・オーシャン財団の波浪発現頻度を用いると、計算値が計測値よりも大きい。
・計測された波浪発現頻度を用いた船体加速度に関する計算値(All Heading)と計測値はA2点(船体中央、左右方向加速度)を除き、よく一致している。(図5.1.1−5)
・計測された波浪発現頻度を用いた波浪変動圧に関する計算値(All Heading)と計測値は比較的一致している。水面近傍の計測点では、圧力波形が半波波形となるため、このことを考慮していない計算値は、計測値より大きい。(図5.1.1−6)
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