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現在の誤差の主たる要因は工場間の差に依るものと考えられる。したがって本算出式は概ね妥当な計算値を与えるとの結論を得た。

3.5座屈許容設計法の研究

(1) 面内圧縮荷重を受ける連続防撓板を対象として、防撓材の影響を考慮して座届荷重を計算する式を解析的に導いた。この式を適用してばら積み貨物船の上甲板と船底外板パネルの座屈強度を計算した結果によると、周辺単純支持の境界条件を仮定した場合に較べ、座屈強度が平均で10%前後の上昇することが明かとなった。(表3.5.1)

 

表3.5.1防撓材が上甲板および船底外板パネルの座屈強度に及ぼす影響

037-1.gif

a : length of panel
bp: breadth of panel
tp: thickness of panel
F : flat-bar
T : tee-bar
A : angle-bar
δγp : yiels stress of panel
δγs : yiels stress of panel
δcr0 : buckling stress of panel being simply supported
δcr : buckling stress of panel with constraint by stiffeners

037-2.gif

(2) 有限要率法による弾塑性大たわみ解析の結果によると、船底桁ウェブが座屈する場合の上下フランジ(内底板と船底外板)との接合線に沿っての境界条件は、単純支持と固定の中間の条件となることが確認された。
(3) 1方向の面内圧縮荷重を受ける矩形板の座届発生後の面内剛性は、次式で与えられる。
D = {1 + (a/mb)^4)}E/{3 + (a/mb)^4} E
ここに、aおよびbはパネルの長さと幅、mは長さ方向の座届半波数、Eは材料のヤング率を表す。
(4) 剪断荷重を受ける船底桁のウェブに弾性座屈が発生しても、剪断に対する面内剛性の低下は、高々25%程度である。
(5) 有限要素法による弾塑性大たわみ解析の結果によると、パネルに最終強度近傍までの荷重が作用して降伏領域が拡がっていても、除荷後の永久変形は小さい。
(6) 水圧荷重のもとでは、防撓材で仕切られた船底外部の各パネルとも同一方向へたわむので、水圧荷重の増加と共に座屈強度は上昇する。一方、水圧荷重が増加すると、降伏がより早期に発生する。これらの相反する要因のために、2軸

 

 

 

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