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姿勢の差によって溶接作業時間がどのように変化するかをまとめたものである。いずれも、CO2半自動隅肉溶接で、脚長8mmを1.00としたときの割合で表示している。この結果を基にして、溶接作業時間の比(γ)を推定するための推定式を作成した。
溶接作業時間の比 γ=A3t3+A2t2+A1t十A0 (2.4.1)
この式においてtは、隅肉溶接では脚長を、突合せ溶接では板厚を表す。また、A0〜A3は溶接方法毎に決定したパラメータで、表2.4.1に示すとおりである。

 

表2.4.1 溶接作業時間の比を表すパラメータ

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2.4.4 溶接工数算出式の提案
今回実施した調査によって、溶接作業時間に影響を与える因子を確認し、さらに、一部の影響因子については定量的に影響の度合いを考慮できるだけのデータを得られたものと思われた。そこで、これらの結果を用いて、構造決定の段階で溶接作業時間を見積もることのできる工数算出式を作成した。

018-2.gif

(2.4.2)
ここに、
hs;部材毎の溶接時間(hr)
I;部材毎の溶接長さ(m)
H;基準となる溶接(CO2半自動、脚長8mmの隅肉溶接)を行うのに要する単位長さあたりの時間で、各社の平均値を取り、3.93mm/m(0,066hr/m)とする。
At;平均的アーク発生率。調査結果より60%とした。
γ;溶接姿勢、脚長等による溶接作業時間比。(2.4.1)式で求める。
κ1〜κn;影響係数

 

 

 

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