
によって行った。
(a) 溶接の方法(手溶接、CO2半自動溶接)
(b) 溶接の種類(隅肉溶接、突合せ溶接)
(C) 溶接姿勢(下向き、立向き、水平、上向き)
(d) 隅肉脚長(4mm〜15mm)及び突合せ板厚(4mm〜30mm)
2.4.3 調査結果
2.4.3.1 アーク発生率に関する分析
調査を行った各項目間の関係を見るために相関分析を行った。この結果から、溶接の作業効率に最も直接的に関係すると思われるアーク発生率に着目し、これと関連の大きい他の調査項目との関係を調べたところ、つぎのよう在相関関係が認められた。
(1) 作業する空間が広くなるにつれてアーク発生率は高くなる。
(2) 肉体的負荷が大きく在るにつれてアーク発生率は低下する。
(3) 溶接スピードが速くなるにつれてアーク発生率は高くなる。
(4) 溶接時の姿勢が上向きのときアーク発生率は低下する。
このほかに、溶接作業者が感じる肉体的負荷やストレスとほこり、換気、照明及び空間の広さなどの作業環境との間にかなりの相関関係が認められた。適切な溶接方法の採用や作業環境の整備が溶接作業効率の向上につながるものと思われる。
2.4.3.2 溶接姿勢に関する分析
調査時に撮影した写真から判別して、溶接姿勢を“寝る”、“座る”、“馬中腰”、“間立つ”の4種類に分類し、さらに、足場の有無も調査した。その結果、溶接姿勢は、“座る”→“中腰”→“立つ”→“寝る”の順に多いことが分かったが、肉体的に負荷の大きいと思われる“中腰”姿勢が予想外に多いことが判明した。さらに、各溶接姿勢と他の調査項目との関係を調べたところ、以下のような知見を得た。
(1) “座る”姿勢の肉体的負荷が比較的小さい。
(2) “中腰”姿勢のとき、注意力持続時間が短くなる傾向にある。
(3) “座る”、“立つ”、“寝る”、“中腰”の順で溶接効率が高い。
(4) 4姿勢とアーク発生率との関係は、“中腰”姿勢のときに若千低下するようであるが、際立った傾向は見られない。
足場との関係では、足場上で“寝る”、“座る”の姿勢で溶接を行っている例は一例もなかった。また、足場上の溶接では、アーク発生率がやや低下する傾向が見られる。
24.3.3 主観的データに関する分析
今回の調査では、肉体的負荷の大小など5段階評価で採点した主観的データと姿勢持続時間等の客観的データも採取している。ここでは両者の対応について分析した。
肉体的負荷の大小(5段階評価)毎の溶接持続時間を調べると、比較的明確な相関が見られた。肉体的負荷が小(評価5)と大(評価1)の溶接持続時間の平均値は、それぞれ約70分、約10分である。同様に、注意力の持続度とその時間との関係を見ると、注意力を最も長く維持できると思われる場合、約50分、最も難しいような場合では約10分であ
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