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3) 可能な範囲で設計条件もデータ化すること。
4) 数値を入れるものにとどまらず、文字で埋める
項目と図版化を併用すること。
5) 記号及び寸法等は船級協会規則、設計図書類に使用されているものとすること。
6) 記入の便を計ること。
上記、検討結果に基づいてフォーマットを作成しフォーマットの名称を「HULL STRUCTURAL DATA」とした。なお、実績調査のアンケート様式としても採用した。
データ構成は15区分として各船のデータ番号を取り、主要目関係は船主、船級、舵、速力、航路等、配置関係は構造様式と深くかかわるのでホールドの数及びホールドの長さ等、荷重関係はデザインコンディションとして積荷状態からバラスト状態まで、また直接計算の手法から振動対策の方法も記述することとした。縦強度関係は当然記述することにし、特にばら積貨物船の主要部構造様式を構成する二重底構造、ホッパータンク、ホールドフレーム、トップサイドタンク、横隔壁、クロスデッキの各構造は構造部位の形状、様式についてデータ化する定めの記号化を採用して工夫している。また近年のばら積貨物と比較するために1960年代のばら積貨物船の主寸法比のデータも参考として調査した。
2.2.2 調査結果
調査結果として27隻の貨物船の資料が集まり、その船型は12,000D/Wから157,600D/Wでハンディバルクからケープサイズまであり、ケープサイズ5隻、パナマックス7隻、45B/C7隻、38B/C3隻、28B/C3隻、22B/C1隻、12B/C1隻とVLBCを除いて、ほぼ代表的な、ばら積貨物船のデータ化が出来ている。また、集められたばら積船は1993年からさかのほる10年間に建造された船が殆どであり現時点の構造は勿論、この10年間の構造様式の変化まで含まれたものとなっている。近年建造された船は合理的な構造の研究、電算機使用による解析手法の採用、高張力鋼の大幅な採用、工作の装置化等が反映されたものであり貴重なデータとなった。この貴重なデータの活用については項目ごとに詳細に整理されており、調査目的である合理的な標準構造の設定及び初期構造決定、保守点検のための資料として柔軟に利用できるものと考える。
また近年のばら積貨物と比較するために1960年代のばら積貨物船の主寸法比のデータも参考として調査した。
2.2.3 パラメータスタディ
主要部構造のパラメータ間の関係を把握するため、以下のような項目についてパラメータの検討を行った。
(1) 1960年代と近年のばら積貨物船の比較
(2) 縦強度関係
(3) 最少板厚
(4) 二重底構造
(5) ビルジホッパータンク
(6) 船側構造
(7) トップサイドタンク
(8) 横隔壁及びスツール
(9) クロスデッキ構造
なお横隔壁及びスツールは、構造が複雑でパラメータが多いため、設計要素の多変量解析を行い、相関の強い要素を調べ主成分を抽出し主成分分析を行った。
パラメータスタディの結果、以下に示すような知見が得られた。

 

 

 

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