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SR226「ばら積貨物船の合理的な船体構造の調査研究」

要約

ばら積貨物船の設計の合理化をはかるため、次の項目について研究を実施した。
(1) 現設計に対する評価
(2) 保守点検が強度上の安全性に及ぼす影響
(3) 所与の構造に対する溶接作業の工数見積法
(4) 座届許容設計法
(5) 波浪中の変動荷重による構造応答
(6) 計算による構造設計法
以下に各項目の要約を述べる。
1. 現設計に対する評価
現在の設計がどのようになっており、どこに問題点があるかを把握するため、損傷例の調査と構造データの収集とを行った。損傷例は75例を収集し、これをカテゴリ(損傷部位)別に整理すると表1に示すようになり、また発生年代別に整理すると図1に示すようになる。これらを詳細に検討し、参加各社の経験と照らし合わせて、基本的な検討が必要な項目として横隔壁スツール基部、トップサイドタンク、クロスデッキ、船底構造(ビルジホッパナックル部)を選んで以降の研究で検討した。
また、ばら積貨物船の構造の特徴であるトップサイドタンク、ホッパ、クロスデッキを含む主要構造の様式、寸法などを統一したフォーマットで調査し設計データベースを作成した。データはHandy size,Panamax及びCape sizeの各船型について数隻ずつ合計27隻を収集した。なお、参考のため1970年代以前の船についても一部の

 

表1 損傷カテゴリによる集計表

001-1.gif

竣工年代による損傷数

001-2.gif

図1損傷データ集計

 

損傷カテゴリ
? ハッチコーミング
? スツール
? 横隔壁
? 船底構造
? トップサイドタンク
? ハッチコーナー
? プルワーク
? 船側構造
? ハッチカバー周辺
? クロスデッキ
? 連結トランク
? 船首船底
? 孔食

 

 

 

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