日本財団 図書館


 

 

ここで
Vs:velocity of hull
Vw:velocity of wave surface
Vsw:relative velocity between hull and wave surface
Vi:impact velocity
ns:unit vector normal to hull surface
nw:unit vector normal to wave surface
K:impact pressure coefficient
ξ:impact angle
上式において、Vi、ξは2次元の理論計算における衝撃速度、衝撃角に相当し、理論式からKを求めることになる。この計算法では3次元の問題を2次元の問題として取り扱っているが、これは船体表面が平板に近い状態で構成されていること、衝撃現象がある程度広い範囲で生じていることを前提としている。この条件が満たされれば上記の計算法は、高速船の衝撃荷重の計算法として適用可能である。
4. 高遠船への適用の方法
従来、高速船のスラミング荷重の計算においては、一般に、水面と船体の相対速度、deadriseangleを考えて、2次元の問題として取り扱っている、この場合、船体の前後方向の形状、前進速度は計算には考慮されない。しかし、上記の3次元の計算法を用いる場合には、これらをすべて考慮して、衝撃圧を求めることができる。
(1)船底の形状
船体の形状については、これまでは船体横断面のdeadrise angle βのみを考えていたが、船底の面の方向を表すために、該当する部分の側面図のバウラインの傾斜角θ、または平面図のエントランスアングルαを用いる。α、β、θの問には一定の関係があり、このうち二つが分かれば、他が決められる。
(2)相対速度
船体の該当部分と波面の相対速度は、船体運動と波面の関係で決まる。船体運動の模型試験や数値計算の解析結果から、船体に最も厳しい荷重が加わる状態を抽出し、この状態における船体運動、波浪条件を設定し、相対速度を決めることになる。
(3)衝撃水圧の計算
上記の3次元の計算法を用い、2次元の計算としては、Wagnerの理論をべースとして、deadrise angleが大きい場合に対して、Ferdinandeの理論による補正を行う。Wagnerの理論は取り扱いが容易であるが大きいdeadrise angleでは精度が落ちること、Ferdinandeの理論はすべてのdeadrise angleで成り立つが、一般的に使用することが困難であることによる。

 

 

 

前ページ   目次へ   次ページ






日本財団図書館は、日本財団が運営しています。

  • 日本財団 THE NIPPON FOUNDATION