日本財団 図書館


 

 

(6)圧力減少係数
上述のシミュレーションの最も重要な要素は、Wagner等の理論による衝撃水圧に対する圧力センサーの特性である。圧力センサーで計測されるのは、センサーの受圧面での圧力の平均値であり、圧力分布は模型の大きさとセンサーの位置で決まることになる。この関係を図
9,10に示す。衝撃圧のピーク値と計測される最大値の比を圧力減少係数と呼ぶことにする。圧力減少係数は物体の大きさとセンサーの大きさから求められる。ここで、物体の大きさとは、例えばキールからセンサーまでの距離である。図−10から分かるように、圧力減少係数はセンサーと模型の大きさの比(d/L)が小さいと1に近くなり、(d/L)が大きくなると減少する。衝撃角が大きくなると1に近くなり、衝撃角が小さくなると減少する傾向にある。
これはちょうど船底パネルに衝撃水圧がかかる状態に相当する。センサーと模型の大きさの比(d/L)はパネルの巾とパネルとキールからの距離との関係に当てはめられる。船底に加わる衝撃水圧のピーク値が求められたとき、パネルにかかる平均圧力はこの圧力減少係数を用いて求められる。例えば、船の巾が決まっているものとして、パネルの巾の決め方によって平均圧力が上下することになる。

380-1.gif

図−9 圧力センサーの配置

380-2.gif

図−10 衝撃角と圧力センサーの特性

 

 

 

前ページ   目次へ   次ページ






日本財団図書館は、日本財団が運営しています。

  • 日本財団 THE NIPPON FOUNDATION