舵板厚さは舵骨下端において、それから下に受ける直圧力による曲げに対する舵板の曲げ応力が舵軸の最大曲げ応力と等しくなるように決定する。高さの1/2以上に舵骨を延長したときは高さの1/2位置で舵板厚さを計算する。
(C)複板舵
流線形複板舵はt/Bが大きくなりやすく、特に低速での舵効きが重要な船に適する舵であって、高速での大舵角のとき失速角が不安定となり、旋回特性が一定しない欠点が出やすいので、艇の使用法による適不適を十分に考慮して採用しなければならない。
溶接構造の複板舵はプロペラ直後の圧力変動によって溶接部にき裂を生ずる例が多い。特にプロペラがキャビテーションを発生している場合、舵面でキャビティーが崩壌する状態では損傷が甚しい。
き裂発生を防止するためには舵板の振動を防止するよう厚い舵板を用い、舵骨との溶接を完全にする。
ステンレス鋼溶接構造では、溶接部の応力腐食割れの恐れの少ない低炭素のステンレス鋼を使用する。SUS 316Lが耐海水性が良好である。
複板舵の断面係数は、それぞれの断面において、それより下方にかかる直圧力のモーメント
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