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表5.34に計算例を示す。甲板下縦桁のないときは、ほとんどの例で要求を満足しない。表5.34(2)は甲板下縦桁を考慮した計算である。
甲板横置ビームを船体の形状を保つ機能の面から考えるときは、縦桁の存在は無関係となる。
甲板横置ビームの長さB(船体最大幅)及び断面2次モーメントIと、心胆当りの排水量Ws/Lとの関係を表5.35、図5.13に示す。「客船1」が小さな値となっているが、他はおおむね
I=50W・B・s/L(cm4
W:排水量(ton)
B:甲板最大幅(m)
S:横置ビーム心距(m)
L:全長(m)
を目安とすることができる。
「客船1」は、トランクキャビン型客室と舷側との間が狭く、この位置の縦桁と舷側(縦桁深さまでとる)及びその部分の甲板で構成するボックス型桁(スパン9m,I=77,700cm4)が十分に剛で、その中央に排水量相当の荷重を受けたときのたわみ比は約1/200である。
閉園された旅客室内の甲板については、甲板荷重を次のように仮定する。
旅客定員0.45m2に対し1人、70?sとし、その2倍に相当する0.031kgf/cm2を旅客室の甲板荷重とする。
「客船2」の甲板はこれに相当する。
(4)甲板下縦桁
縦肋骨構造方式の甲板下縦桁の寸法については両基準とも規定していない。
甲板下縦桁は隔壁及び支柱で支えられているものとし、両端支持として計算する。安全率は耐力に対し1.5とする。したがって、その断面係数Zは
Z=1875P2sl2/σy(cm3
S:甲板下縦桁の心距(m)
l:甲板下縦桁のスパン(m)
表5.36に計算例を示す。「客船2」の上甲板は、そのほとんどが閉囲された客室甲板になっている。暴露甲板としては甲板下縦桁の寸法は要求を満足しないが、閉囲された客室としては十分に満足している。

 

 

 

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