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5.3.3 甲板構造
(1)上甲板
甲板の設計条件には二つの要求がある。その1は甲板荷重水圧P2により周辺固定のパネルが永久変形を起こさないこと、その2は板部に乗った人が不安感を持つようなたわみを生じないことである。甲板上に搭載物や積荷などの荷重があるときはその分を加える。
第1の条件としては等分布荷重P2を受ける周辺固定の長方形板が耐力に対し安全率1.2とする。長辺a、短辺bの長方形板の場合、下の関係がある。

172-1.gif

βはa/bによって決まる係数であって、a/bが2以上の場合0.5と考えてよい。
そこでRR11基準(案)では

172-2.gif

甲板の搭載品や積荷等があるときは、その荷重を面積に対する分布荷重(kgf/cm2)としてP2に加えて板厚を算定する。
ここで求められた板厚は、普通の場合がなり薄いものになる。したがって、船体の縦曲げ強度に関し余裕のあるときは、5083に代えて5086あるいは5052を使用しても差支えない。
第2の条件としては、周辺固定の長方形板の中央に70kg(1人分の重量)が集中荷重としてかかったとき・最大たわみδmaxがスパンb(短辺)の1/100以下とする。δmax、は次の式で表される。

172-3.gif

δmax/b=1/100というたわみは、鋼船や木構造に慣れた一般の人には頼りない感覚を持たせるので、一般乗客等の通行する甲板は最大たわみをスパンの1/200として

 

 

 

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