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この計算では当然のことながら心距は計算条件に入らない。したがって、水圧計算で余裕が少ないものが必ずしもこの計算で軽いものとは限らない。「客船2」、「交通航2」は両計算とも過大であり、「魚雷艇5」は両計算とも限界に近い。この関係は縦肋骨選定の参考になるであろう。
(3)船側横肋骨

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RR11基準(案)では、船側横肋骨の最小深さは船側縦肋骨の深さの2倍以上とするよう規定しているが、横肋骨ウェブを貫通する部分を全局溶接とするときは深さが2倍以下であっても差し支えない。
表5.28に計算例を示す。
縦肋骨同様の接舷時の計算を表5.29、図5.10に示す。実績は、いずれの船も自船の方から接舷する場合には無難に使用されている。大型の他船の方から接舷し、操船を誤って損傷を受けた例が「あらかぜ」にあるが、これはやむを得ないだろう。
I=6.76(Wl2)0.87(cm4
を一応の限界と見てよいであろう。
(4)船側縦桁
船側縦桁に関しては、どちらの基準も規定していない。横肋骨が要求を満足しているとき、船側縦桁は横肋骨の倒れ止めとして考えればよかろう。
横肋骨の寸法が不十分な場合には、船底構造におけるサイドガーダーと同様な計算を行う。
実例では、いずれも横肋骨が要求を満足していて、船側縦肋骨を省略して縦桁だけとした例もあるし、横肋骨スパンが心距の2倍以上でも縦桁を設けないで、倒れ止めは縦肋骨の位置のブラケットだけという例もある。一般には横肋骨心距と同程度、広くてもその1.5倍以内に縦桁を設けているのが普通である。
単なる倒れ止めでないとすれば、横肋骨のたわみを軽減するものでなければならない。横肋骨にかかる荷重を前後の横肋骨に伝えて共同で荷重を支えるものとし、荷重は排水量Wに比例するものが、横肋骨と縦桁との交点に作用するものとし、縦桁の剛性の実例を比較する。

 

 

 

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