次にこの平面図上の肋骨線が各ウォーターラインやチャインライン、甲板玄側線と交わる点を長さ定規にプロット(平面図の船体中心線からの距離)し、これを正面図の各ウォーターライン、チャインライン、甲板玄側線に移し、この点をバッテンで結べばこれが斜肋骨の外板外面を示す線となる。これに外板(木型の外板)の厚さを除去したものが実際の木型の肋骨線である。
斜肋骨のべベルは正面図に示された斜肋骨とウラズミの差が、木型肋骨の厚みに対するベベルである。
5 船首材の描き入れ及び型取り
描き入れの要点は正確な断面形状を求めることである。先ず側面における船首材前面線の切断位置に、接線となる線に直交する線を適当な間隔(300〜400mm)に入れ、その線が側面のフレームライン又はウォーターラインと交わる点から直角に引出した線(補助線)に各線に対応する幅をマークし、その線を結べばその位置の船首外面形状が得られる。おす型の場合は更に船首材の半巾、深さ等の線とラベットライン及び外板等の厚みとを記入すると切断面形状が得られる。
二重張り外板で二段ラベットの場合は、内張り板のラベット(インナーラベット)の点を決める必要があるこの位置はラベットとベアヂングラインの中間にするのが普通であるが、内外板の厚さに差があるときはその厚さに比例して適当に当たり面の幅を加減すると良い。
型板を作るにあたっては、図3.7に示すように各ウォーターライン及びチャインライン、甲板玄側線、ラベットライン、ベアジングライン、フレームライン等を記入する。なお加工の際の便を図るため、キールとの接合部におけるボルトの位置及びケズリ付の線も補足して記入すべきである。型板の材質、強弱によっては適当な補強材を入れるか狂いをチェックするための見透し線を打っておく必要がある。
6 チャインの描き方(おす型の場合)
現図としては各肋骨におけるチャインの正確な断面形状とその実長を求めてチャイン定規を製作すれば良い。
先ず正確な断面形状を求める船首部の平面曲りの甚だしい所になると、肋骨断面では実際の加工に際して角度を求めることが難かしく正確に行うことは不可能に近い。したがって切断線は切断位置におけるチャインラインの接線に直角となる線とすべきであるこのことは現場で加工する場合、自由金を当てて角度を取るとき、加工部材の長さ方向に対し直角に当てるからである。
切断要領は切断線に対し肋骨と同じ要領であるが、チャインラインを基準として、その附近の水線の幅の差を定規にマークしてボディプランに移し、その点を結べば割合正確な断面角度が得られるこの角度を手板に取り中央断面図に示される寸法により断面形状を描けばよい。
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