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準Frより対象に振れば、近似測地線の点G(及びG’)が求まる。
これら3Frを持つ外板3枚を重ねて、元に戻そう(図2.6.33の上図)。GとG’が展開基線補正位置となる。
この原理での実際の近似測地線(Geodesic Line:G.L。)の求め方を図2.6.34に示す。
外板ほぼ中央に選んだ基準Frから振分けに、次のFrに基線点を通るマカネを掛けて、その次の基線点を求め、その次のFrはその前に求まった基線点をやはり押えてマカネを掛け、これを繰返してゆく。

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図2.6.34

この繰返しで求まってゆく基線点を連ねると、これが近似測地線である。
この展開基線補正法は、三田村利武氏により発表され、近年の現図書物には洩れなく方法の記載がある。
一見複雑な方法に思えるが、理屈が解れば簡単なものである。3Frごとの基線展開を、Frを重ねながら追ってゆくにすぎない。
外板展開範囲でFrスペースが変る所があれば、最初に説明した図2.6.32の三角形は合同にならず、相似となる。したがって、シフト量(S)を移すとき、比例按分が必要である。外板両端バット継手の所は、それを越えた次のFrまで基線点を追い、求めた近似測地線とバット線の交点を基準点とすればよい。
この近似測地線による展開の手順は、基線(直線)展開と同じで、相異点のみを簡略にして図2.6.35に示す。

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図2.6.35

基線(直線)展開の展開基線は、ここでは見透し線(Sight Line:S.L.)としての意味で残る。つまり基線(直線)展開の基線は展開基線と見透し線を兼ねていた、またはそれより、見透し線を展開基線にした、と解することができる。
近似測地線展開では展開基線と見透し線が分離し、
・展開基線=近似測地線(G.L.)
G.L.⇒正面で曲線/展開面で直線
・見透し線=基準Fr(弦)への垂線(S.L.)
S.L.⇒正面で直線/展開面で曲線となる。
正面でFr線にシームが斜交していて、基準Frと基線を立てる位置を工夫しても、展開が図

 

 

 

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