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4 中性軸の位置

棒状の物が撓んでいるのを、撓む前の形と較べると、凹側は縮み凸側は伸びていて、その凹凸両側の中間に、伸びも縮みもしないところがあるこの場所を中性軸(N.A.:Neutral Axis)という。
展開は板や型材を厚さのない面として扱うから、曲りのある部材では、この中性軸を含んで考えないと、実際に合わない。
また、展開面が曲面になるように加工されるとき(図2.4.1)、面外曲げといい、中性軸は板厚の間にある展開面は平面のまま、その面上で展開形状が変形(直線⇒曲線)加工されるとき(図2.4.2)、面内曲げといい、中性軸は展開面上にある。
面外曲げと面内曲げは、板厚と板幅で収縮および伸長が生じる(図2.4.3)だけの違いである。

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図2.4.1

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図2.4.2

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図2.4.3

平捩り変形(図2.4.4)では、このような中性軸はなく、断面の回転と捉えて「捩り中心」を用いる空間にある捩り部材の形状を展開するとき利用することがあるが、断面の図心=重心の位置としている。
ついでに平行な曲縁を持つ部材の取材につき(図2.4.5)、用語を説明しておこう。
板材から完成形状で取材するのを切出しといい、平帝材から取材して、曲げ加工で完成形状にするのを平曲げという。
切出し/平曲げ、いずれにも利点欠点があり、展開に先立って取決めておく。

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図2.4.4

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図2.4.5

 

 

 

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