3.3 プロペラ設計図表の使い方
船のプロペラを設計する主な方法には、大別してサーキュレーション理論等に基づく設計方法と水槽試験による模型プロペラの系統的単独試験の結果から導かれた設計図表を利用する方法の二つがある。
前者の方法は計算がめんどうなこともあり、特殊な場合を除いては、後者の設計図表を利用する方法が広く実用されている。
これらの設計図表から求めたプロペラの計算結果は、厳密には、それぞれの設計図表の基礎となった系統的模型プロペラと、形状が相似のプロペラについてのみ、あてはまるものであるが、実際にプロペラを設計する場合には、いろいろな事情のために、これらの特定の形状を、そのまま採用することが困難な場合が多い。
たとえば、プロペラの翼面標、翼輪郭、翼厚、翼断面の形状などは、効率ばかりでなく翼の強度、キャビテーション発生の防止などを考慮して決められるし、またボス比の値は1体式プロペラか組立型プロペラかによって著しく異なる。
これらの項目のうち、あるものは設計図表から読みとった値に対して若干の影響を与え、またあるものはほとんど影響を与えない。
翼面積、翼厚、ボス比、翼新面の形状などは、前者に属する項目で、翼輪郭の形状、翼の傾斜などは設計図表から求めた値にほとんど影響を与えない項目である。
(1)BP〜δ型設計図表とその使用方法
一般に広く使用されているプロペラ設計図表には、AU型図表、トルースト図表、テーラー図表などがある。
プロペラの設計は、主として伝達馬力(DHP)に基づいて行なわれるのが普通で、トルク系表現が多く採用されている。
ここで、
N=実船のプロペラ毎分回転数
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