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果と模型船の水槽試験の結果を比べて、計算してみると、次表に示すように、用いた解析方法によっては必ずしも正の値とはならない。

表 1.2

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すなわち、水抵抗を摩擦抵抗と剰余抵抗に分ける方法を用いて解析すると、船が大きくなるにつれて、負の符号をもった△CFとなる。また、水抵抗を粘性抵抗と造波抵抗に分ける方法を用いて解析すると殆どのものが正の△CFとなる。したがって、形状抵抗の考えを入れた、粘性抵抗と造波抵抗とに分ける解析方法が合理的であると思われる。
実船の試運転結果と模型船の水槽試験結果より解析して求めた△CFまたは△RFは、粗度修正量以外のものも含まれており、粗度修正量というよりむしろ模型試験結果を基にして、実船の馬力を精度よく推定する場合の模型船と実船の間の相関係数(抵抗修正量)として用いられている。

1.3 造波抵抗

船が水面を航走すると波ができる。この波を発生するために消費されるエネルギーが、船の受ける造波抵抗に相当する。
航走中の船がつくる波をさらに調べてみると、船首でつくる波、船尾でつくる波、船体の前の肩部でつくる波、船体の後の肩部でつくる波の合成されたものと考えられる。普通の船型ではこのうち、船首と船尾でつくる波が大部分であるが、肩の張った船型では、この肩の部分よりできる波も重要となってくる。

 

 

 

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