日本財団 図書館

共通ヘッダを読みとばす


Top > 技術 > 海洋工学.船舶工学.兵器 > 成果物情報

通信教育造船科講座 船舶計算

 事業名 小型造船技術講習
 団体名 日本小型船舶工業会 注目度注目度5


 

第1章 船の抵抗

1.1 抵抗の種類

船が海上を走っているとき、その船は海水、空気から抵抗を受ける。これらの抵抗はどのような性質のものか、また、どの位の大きさのものか、あるいは、これらの抵抗を減少させるのにはどうしたらよいか等を考え、調べてみよう。
船の抵抗の大きさは、その船の主要寸法や形状によって変わる。船の形状のことを「船型」といい、船の主船体のほかに、かじ、ビルジ・キール、ボッシング、シャフト・ブラケット等の水面下の船体表面に取りつけられた船体付加物、水面上の船橋、マスト等の上部構造物も含まれる。
船が風や波のない滑らかな水面を航走するとき、水から受ける抵抗と空気から受ける抵抗の2種の流体の抵抗を受ける。前者を水抵抗と称し、後者を空気抵抗という。
空気の密度は、水の密度の約1/800であることからもわかるように、高速で、しかも水面上の構造物の大きい船を除いて、風のない場合には、水抵抗にくらべて空気抵抗は非常に小さい。風がある場合には、風の強さとか吹いてくる方向、また風のある場合には当然水面には波が発生し、非常に大きな影響を船の抵抗に与える。
風や波のない場合の船の抵抗は、ほとんどが水抵抗と考えてよいから水抵抗について、もう少し詳しく調べて見よう。
水中深く物体を静めて動かすと、物体が水に与える力の反作用として抵抗を生ずる。その抵抗は、まず第1に水が物体の表面と擦り合うことによって生ずる摩擦抵抗と、物体の周りの水の圧力によって生ずる形状抵抗(圧力抵抗)が考えられる。この2つの抵抗は、どちらも水に粘性があるために生ずるので、両者を合せて粘性抵抗と呼んでいる。
また、第2に物体を水面近く、または水面上を動かすときは、水面に波が生ずるが、この波は物体を動かす定めのエネルギーの変形したものであるから、大きな波を作って走れば、それだけ物体を動かすための抵抗は大きくなる。この波を起こすことによって生ずる抵抗を造波抵抗という。
船体の一部を水面下に沈めながら、空気と水との境界面を走る普通の船舶の水抵抗は下記のような抵抗を水から受けることになる。

070-1.gif

 

 

 

前ページ   目次へ   次ページ

 






サイトに関するご意見・ご質問・お問合せ   サイトマップ   個人情報保護

日本財団会長笹川陽平ブログはこちら

日本財団図書館は、日本財団が運営しています。

  • 日本財団 THE NIPPON FOUNDATION



ランキング
注目度とは?
成果物アクセスランキング
6位
(35,650成果物中)

成果物アクセス数
871,959

集計期間:成果物公開〜現在
更新日: 2023年3月18日

関連する他の成果物

1.通信教育造船科講座 工場管理
2.通信教育造船科講座 船舶関係法規 学習指導書
3.通信教育造船科講座 船殻設計学習指導書 学習指導書
4.通信教育造船科講座 工場管理 学習指導書
5.通信教育造船科講座 船体工作法 学習指導書
6.通信教育造船科講座 船舶計算 学習指導書
7.通信教育造船科講座 基本設計 学習指導書
8.通信教育造船科講座 艤装
9.通信教育造船科講座 船舶関係法規
10.通信教育造船科講座 船体工作法
11.通信教育造船科講座 基本設計
12.通信教育造船科講座 船殻設計
13.造船現図指導書
14.アルミニウム合金船建造技術指導書
15.「小型造船技術講習」の報告書
16.平成8年度OECD等国際協議への対応に関する調査報告書
  [ 同じカテゴリの成果物 ]


アンケートにご協力
御願いします

この成果物は
お役に立ちましたか?


とても役に立った
まあまあ
普通
いまいち
全く役に立たなかった


この成果物をどのような
目的でご覧になりましたか?


レポート等の作成の
参考資料として
研究の一助として
関係者として参照した
興味があったので
間違って辿り着いただけ


ご意見・ご感想

ここで入力されたご質問・資料請求には、ご回答できません。






その他・お問い合わせ
ご質問は こちら から