第5章 縦方向のつり合い
5.1 トリム
船首喫水dFと船尾喫水dAとの差をトリム(trim)といい、その正負によって、次のように呼ばれる。
dF<dA;船尾トリム(trim by stern)
dF>dA;船首トリム(trim by bow)
dF=dA;等喫水(even keel)
図5.1において静止して浮かんでいる船が排水量を変えないで、前後方向にある角度θだけ傾くとき、θの値が小さい場合は、移動後の浮力の中心B’を通って水線W’L’に垂直な直線と、元の位置の浮力の中心Bを通って水線WLに垂直に立てた直線との交点は一定点となる。この一定点をMLとし、これを縦メタセンタ(longitudial metacenter)という。
縦メタセンタMLと船の重心Gとの距離を縦メタセンタ高さCML、MLと浮心Bとの距離を縦メタセンタ半径BMLという。BMLは横メタセンタの場合と同様、次式で表される。
ここに、ILは、水線面の浮面心Fを通る横軸に対する水線面積の慣性モーメントである。
ILは次式で表される。
ここに
図5.1
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