となり、減少する。
自由水を有する船体の初期復原力は次のようになる。
(4.9)式によれば、自由水が船内にあると、初期復原力が減少すること、その減少は見掛け上重心の上昇と同じ効果を示すこと、自由水の体積には関係なくその表面の形状のみに関係して形響が現われることがわかる。
船内の自由表面をいくつかに、船体中心線面に平行に区切って、自由表面の慣性モーメントを小さくすれば、自由水による船の重心の上昇を小さくすることができる。
自由水の入っている区画に線隔壁を設けて幅をn個の同一幅の区画に仕切ったとき、自由水による見掛げ上の重心の上昇量(または慣性モーメント)の減少量はどれ程かを以下に計算してみる。
縦隔壁で自由水の入っている区隔を区切らないときの見掛げ重心位置をG0とし、真の重心位置をGとすれば、自由水のため見掛け上の重心の上昇量GG0は、前記(4.7)式より、
となり、自由表面を回転軸と平行に縦隔壁でn等分したときの見掛け上の重心の上昇量(または慣性モーメント)は、縦隔壁で区切らない元の値の1/n2に小さくなる。
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