4.2 横メタセンタ高さ
GとMの距離のことを横メタセンタ高さ(又は単にメタセンタ高さ)といい、GMの大きい船は、初期復原力が大きく、したがって、傾き難く、また傾いても直ちにもとにもどろうとする。GMが大きすぎるとこの傾向が強調され、船の横揺れ周期が短くなり、乗心地が悪くなる。反対にGMが小さい場合には、傾き易く、またもとにもどるのもゆるやかで、乗心地は良いが、小さ過ぎると複原力が乏しくなる。GMは次式で表される。
4.3 初期種原力
図4.1または図4.2において、船をもとにもどそうとするモーメントは、船体の排水量をWとすると、W×GZで与えられる(GZは図4.1参照)。この復原モーメントを静的復元力という。M点がほとんど移動しない小傾斜の範囲の静的復原力を、初期値原力という。GZはGMsinφで与えられるから、初期後原力は次式で表される。
側線角が5〜10°を越えれば、一般にM点は一定点に集まらなくなる。(4.6)式は5°〜10°以下の小傾斜角の復原力にしか適用できない。
4.4 自由水が初期復原:力に及ぼす影響
空気と触れている水面を自由表面といい、船内にあって例えばタンクなどのように自由表面を持っている流体のことを自由水という。自由水があると初期復原力は減少する。自由水のため、見掛上船の重心が上昇したとみるとき、重心の上昇量GG。は次式で計算できる。
ここで、
i:タンクの板体表面積の重心をとおる船体縦方向の軸に対する慣性モーメント、(m4)
γ:板体の比重量(t/m3)
△:船の排水量(t)
従って、見掛けの横メタセンタ高さG0Mま
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