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の大きさは船楼端側外板の半径rの大きさ、主構造の深さ、船楼の長さおよび高さなどに関係する。船楼の長さが大きいほど、端部の応力集中は大きくなるが、船楼の長さが高さの数倍以上になるとほとんど変化がなくなる。
第3.13図に示すような上下対象な凸形模型による実験によると、r/dが大きいほど、またd/Dが大きいほど、応力集中が減少する(すなわち、Smax/Soが小さくなる)。これからわかるように、船楼端の応力集中を緩和するには、r/dをできるだけ大きく平行部から船楼端へ移る部分の曲率の変化をできるだけ小さくするのが望ましい。また、板厚を増すなどして、その部分の強度自体を上げる方法が考えられる。
 
 
 

第3.13図

 
また、甲板室は船体が縦曲げ変形を起こすと、一般に第3.14図に示すように、主構造と逆方向に曲げ変形を生じる傾向がある。そのために端部では図示のような垂直反力が働き、それが損傷の原因となることもある。この集中力は、その部分の甲板のたわみ剛性が大きいほど大きくなる。それゆえこの集中力を減少させるには、甲板下の横隔壁の位置を甲板室端から離すなどの方法により、その部分の甲板のたわみ剛性を減少させるか、または甲板室側壁と甲板とのとり合い山形鋼などを入れて、それをバネとして働かせ、主構造と甲板室との相対たわみによる反力を減ずる方法が有効である。
 
 

第3.14図

 
3.4.3 隔壁
 
一般に横隔壁は直接には外水圧による船体の変形に対して有力な抵抗材として横強度に寄与し、間接には隔壁位置で船体断面の大きな変形を防ぐことによって縦強度材の有効性低下を防ぐことにより縦強度にも寄与しているのである。したがって長大貨物を運ぶ船のように隔壁数の少ない船を設計する場合には、このことも当然考慮して、ウェッブフレームなどによる補強を行なわなければならない。
しかし、一般に隔壁の構造寸法決定の直接の基準となっているのは、局部強度、すなわち船体に積み込まれた油または水、あるいは事故により船内に浸水した海水による圧力を受ける場
 
 
 

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