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2.2.2 系統図

(1)一般

系統図は全電気機器とその相互を結ぶすべての電線及びその系統に関する機能が表示されているものである。

一般に、系統図は全般の主な装置への電源の給電系統を示す総合給電系統図及び動力、照明、船内通信、航海、無線、計装制御(自動化)の各装置の系統図に大別される。

これらの図を基にして電気機器配置図、電路計画図等の設計が展開されるため、系統図は電気膿装設計における基本的な図面として最も重要なものである。

また現場においては電線布設確認用に、試験検査においては電線や機器の初通電確認とか操作試験の時に活用される。主に機器相互の電線による結合を示すものであるから、各機器や回路符号、電線種類等は記号や符号で表示されるが、機器そのものの大きさ、形状、内部回路や装備方法は表示されない。

ただし、例外として各機器の要目の概略、装備場所、また配電盤、区電盤等では分岐方法、ヒューズ、遮断器、スイッチとその容量、制御盤その他必要な装置では制御方式、信号の内容、種類等の解説が簡単に記述されることもある。

また、場合によっては系統図には多目的性を持たせるため、一般に次のような表し方をする。

(a)船内での機器配置状況も表示するために、配置に合わせて各デッキ、区画ごとに機器を図示し、記入される。

(b)端子結線図の機能も含め端子符号、電線の心線記号も表示される。

(c)系統要素をすべて文字、シンボル化し、表で示す。

系統図をどの船にも流用できる標準図として扱うことは、船種ごとに船そのものを標準化したり、各装置を標準化すれば可能であるが、船級規則等による制約や船主標準や好みがあるので、実行する際は注意すること。


(2)作成の手順

(2.1)準備及び決定事項

系統図を作成の場合は、電気艤装における機能面を正確に把握することが前提である。

したがってその船の性格、性能、搭載機器の機能を知ることから始まるため、次の資料を用意する必要がある。

建造仕様書、適用規則、船主要求、船体部機関部の配置計画図を含む諸基本計





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