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力(この計算書を電力調査表という)をべ一スとして、発電機の組合わせ、発電機の特性、イニシャルコスト(主に設備費をいう)、ランニングコスト(主に燃料費、保守費をいう)等を考え合わせて決定する。特に容量については、計算により求めた所要電力のKW数のみをべ一スとせず、大出力電動機が起動した時、電源系統に過大な電圧降下を生じないように、十分考慮するとともに、電動機の軽負荷運転時における系統力率の低下も併せて検討し、決定しなければならない。


(1.3)陸上給電の容量の決め方

陸上給電の容量の決め方については、特に定まった考え方はない。一般的には、船が停泊している状態で乗員が船内に居住できるために最小限必要な容量、すなわち、一般照明、糧食冷凍機、賄機器等を使用できる容量を持つようにしている。船主によっては、最大容量の電動機あるいは荷役機械を運転できる容量を要求することもあるので、容量を決定するに当っては、事前に船主と協議し、確認しておく必要がある。


(1.4)電力調査表

電力調査表の作成にあたっては、補機、甲板機械、照明、電熱、通信、航海、無線、冷暖房装置等に関する電気機器の出力・入力・台数を把握し、個々の装置ごとに、航海中・出入港時・荷役中等の各状態における連続使用負荷と断続使用負荷に区分し、需要率を考慮して最大所要電力を求め集計する。その際、断続使用負荷の合計は、不等率で割って最大所要電力に換算する。不等率は船の種類・大きさ・主機の型式等により負荷の性質、構成が異なるので種々の条件を考慮し、かつ、実際の使用状態を個々に想定して決める。

・需要率(DEMAND FACTOR)

単独又は1群の電力消費機器の通常の使用状態における最大負荷電力と、それらの定格出力に対する入力との比(%)。

・不等率(DIVERSITY FACTOR)

1群の断続して使用する各負荷の最大需要電力の総和と、その群において同時刻にかかる負荷総和の最大負荷電力との比。

電力調査表の様式は、各造船所において、それぞれ独自の様式を用いている。このうちで代表的な日本海事協会の様式による計算方法について簡単に述べ、新測度法による257総トン型貨客船の電力調査表の一例を表2.1に記載したので参照されたい。





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