機関の前後進切替のような二位置動作は、図のように油圧ボンブにより加圧された作動油を遠隔操作電磁切替弁を経て作動シリンダに送り、作動ピストンを動かすことにより行う。また増減速操作のように、遠隔操作ハンドル位置に対し機関速度が正確迅速に追従しなければならない動作は、図のようにシンクロ制御機構、油圧サーボ機構及び油圧駆動機構により行う。
(4)電子式(全電気式)
電子式(全電気式)とは、機関から離れた位置に設けた制御盤から、電気制御機構及び電気駆動機構を介して、機関の前後進切替、始動・停止、増減速などの操作を行う方式である。
従来この方式は、制御回路の信号伝達、調節動作、演算などの点においてはすぐれているが、駆動力において電気油圧式、電気空気式に劣るとされ、主として中小出力の機関に使用されてきた。しかし、現在は多用される傾向にある。
(a)長所
1.制御性が良く、精密なる制御が可能である。
2.電気配線のみであるので、機関への取付けが容易である。
3.各種のインターロック、自動化プログラムを容易に組込むことができ、自動化には最適である。
4.配管がなく、油漏れ、空気漏れの心配がない。
(b)短所
1.調整に時間を要し、専門の電気エンジニアを必要とする。
2.駆動力において、電気油圧式、空気式に劣る。
この方式は、制御盤におけるハンドル及びスイッチの操作により、駆動用モータを動かして機関制御するもので、この方式のリモコン図を図2.2.3に示す。