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作成する図面としては、軸、プロペラ、各種タンクや金物類などのようにそのまま製作用図面として製造工場へ送られるもの、各種注文要領書や材料表などのように物品を購入する担当部署へ送られるもの、諸管系統図、各種作業要領書、各種装置図などのように生産設計へ送られるものなどがあり、また機関部の各種コントロールを自動的に行う自動化諸計器の艤装に関する設計作業も電気艤装設計とそれぞれ分担して行うのが普通である。

機関室内の各種配管部品や一般的金物などの種類は多種多様であり、その数も極めて多いが、それぞれについてJIS及び社内規格で標準図が作られているので、設計者は目的に応じ選択して使用することが一般的である。また標準設計マニュアルに従って設計する。

注文仕様書で購入する機器や艤装品も近年では、国内とのコスト差の面から海外からの調達も幅広く行われてきており、性能、品質の面からも国内と比較して遜色の無いものも出てきている。ただし、艤装品等の一部では、品質にばらつきがあるものもあるので注意が必要である。



1.2.3 艤装工作図

最近では区画艤装の方式が多く採用されているために、区画毎の艤装図、一品図、装置図、材料部品表などの図面を用いて艤装が行われる。

機関部の艤装工事密度は極めて高く、バイブ、通風トランク、電路などが複雑に交差しており、これらの取付け状態を示す工作図もまた複雑となるため、一般にはステージ別にユニット艤装取付図、地上ブロック艤装取付図、船内艤装取付図に分け、通風トランクや交通装置、給排気管装置などは装置別に別個の取付図が作成される。次に主な艤装工作図を簡単に説明する。

(1)総合艤装図

艤装全体を取りまとめた取付図で、性能設計の要求する機能を満足させることが必要である。また、この図面により工作法、取付法を検討することが多い。

(2)区画別艤装取付図

区画別及びステージ別に取付時期の異なる艤装品ごとにそれらの取付位置を示したもの。 複雑な配置となることが多い機関部では、場合によって、通風トランクや排ガス管、吊り上げ装置などの艤装品を別の図面にすることもある。





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