(3)手動式
一般には船内の清水タンクから機関室内の清水ポンプによって重力タンクヘ送水し、これから重力で給水される。
海水と同様に圧力給水式のものもあり、また手動ボンブで小出しタンクから給水するようにしたものもある。
清水は、船内においては極めて貴重なものであるから、乱費されないように、自動閉鎖式の給水弁を使用し、消費規制のためには給水元弁、中間弁に施錠して時間給水するなどの設備も行う。
溢出管は、海水の場合は舷外に出すが、清水の場合は清水タンクヘ戻るようにする。
18.4 排水管系
18.4.1 排水管系の種類と配管
排水管を分須すると次のとおりになる。
(1)露天甲板排水管(スカッパー)
(2)乾舷甲板又は隔壁甲板下の排水管
(3)諸室の術生排水管 ……………………………………… 居室、便所、調理室
(4)冷蔵庫の排水管
(5)汚水管 …………………………………………………… 大便管、小便管
露天甲板の排水管は、甲板に取付けた排水口金物から直接舷外に導いて排水する。
乾舷甲板又は隔壁甲板下の各甲板の排水管は、船底のビルジだめに導く。この排水管は、事故の際船内への浸水を防ぐために、法規による規制がある。
諸室の排水管は、露天甲板のものとは別個に配管し、便所区画の排水管と、調理室配膳童の排水管とも別系統にするのがよい。
冷蔵庫のドレン排水管は、ビルジだめに連結してはならない。これらの排水管には、臭気の逆流を防ぐために、甲板裏に水密のトラップを設けることが必要である。
排水管は、なるべく居住区を通らないようにする。
排水管の吸入口には、ローズボックス、異物止めの綱、格子等を設け、また導入口金物(ベルマウス)を取付ける。
18.4.2 汚水管
大便管、小便管は衛生上の見地から、他の排水管と別の系統とする。
汚水管は、波の衝撃による管内流体の逆流を防ぐために、管の途中に曲り部を設けて空気抜きを取付け、これを露天甲板に導くとよい。