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船着喫水 0.025×60=1,500m以上
船尾喫水 1.26×2.5=3,150m以上
を目標としてバラスト・タンクの容積を決定した。

 

2.2.3 速力・馬力
山県・フルード・チャート、テイラー・チャート、漁船チャートの3方法について検討した結果、満載状態では山県・フルード・チャートと漁船チャートによるものとは大差なく、テイラー・チャートはスケール・アウトするので漁船チャートを使用して計算した。
試運転状態では、テイラー・チャートと漁船チャートではスケール・アウトするので山県・フルード・チャートにより計算した。
前提条件では13ノットとしてあるが、この場合には2,280PSの主機関が必要となり、適当な機種もなく、かつ機関室の長さとの関係もあるため、航海速力を12.5ノットとし、主機出力はMCR1,800PSとした。

 

2.2.4 倉口蓋
本計画に適合した鋼製倉口蓋として、エルマン・スライド式電動スチール・ハッチカバーが挙げられる。本ハッチカバーの採用は総トン数、主要寸法、コンテナ搭載量、構造等に大きく影響し、ほぼ船主要求を満足しうる基本設計をまとめるための主要な因子となった。
(1)水密倉口蓋(遮浪甲板用)
内航中小型貨物船では、ボンツン型、マック型、エルマン型が多く使用されているが、従来のこれらのスチール・ハッチ・カバーではコンテナ積載方法が制限される。即ち、パネルの大きさ。頂部の構造等により不具合である。そこで第2−6図および第2−7図に示すエルマン・スライド式を採用した。この型式の利点は次に示すとおりである。
(a)FLAT TOP
ハッチ・カバーは上面にウェッジ等の突起物が全くなく完全に平坦のためコンテナ積載に適し、かつ十分な強度を備えている。
(b)デッキ廻りには邪魔物がない。
デッキ廻りには傾斜したレール、台座あるいは締付金物等がなく簡単な構造となっているため、すべての場所が有効な積付け面積として利用し得る。
(c)最小の格納スペース
直立式や捲き取り式のハッチ・カバーと異り特別の格納場所を設ける必要がなく、倉口の両端にトランプ・カードを重ねたように格納するため格納場所が最小である。
(d)操作容易
開閉は水平移動式であるため取扱いが容易、かつ安全である。また、各パネルがリンク・ジョイントされているため蛇行あるいは落込み等の心配がない。

 

 

 

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