日本財団 図書館


 

2.2 基本設計上の問題点

2.2.1 船殻構造
(1)本船の構造上の特異点
(a)大倉口を有する。
荷役時間短縮のため船倉内における貨物の移動は上下方向のみとし、水平移動はしない、しかもコンテナの積載数を可能な限り増し、倉内容積に対する積載効率を高めるため長大な倉口にした。
(b)方形貨物倉を形成する。
コンテナを効率よく格納する貨物倉として無駄なスペースを排除することに最大限の考慮が払われた。
(c)本計画では各甲板に1段積みをしたためセル構造を採用しなかったが、とれに代る航海中の船体動揺による荷崩れ防止のため固着装置について考慮を払わなければならない。
(2)構造・強度について
船殻構造は小型鋼船構造基準による横肋骨方式であり。貨物倉内は1本置きに、その他の区画は3〜4フレーム置きに特設肋骨と特設梁を設けた。
本設計において特に留意した点は倉口歪量を鋼製倉口蓋の許容値以内としたことである。
倉口歪量の計算による推定値は両玄で32mmであり、エルマン・スライド式鋼製倉口蓋の許容倉口歪量は約35?oで支障はないが、不確定要因による変形を考慮し倉口中央に部分隔壁とその前後に各2本の支柱を配置した。
縦強度は断面係数の要求値320,000cm3に対し中立軸上方で367,360cm3(114.8%)、中立軸下方で725,430cm3(226.7%)である。
振り強度については、井口・妹沢両氏の式でC=0.4とした場合の最大捩りモーメントを求めSingle Hull,Single bottomとした場合の最大捩り剛性、曲げ捩り剛性を求め、剪断応力を計算した結果、許容剪断座屈応力14kg/mm2対し振り剛性による勇断応力は0、曲げ捩り剛性による剪断応力は0.7?s/mm2で心配はない。
倉口隅部の応力集中、局部強度について検討の結果、倉口隅部を拠物線形状とし、上甲板船首および遮浪甲板船尾開口隅部における甲板の板厚を増厚し12?oとした。
2.2.2 船体傾斜・乾げん・喫水等
(1)荷役時の船体傾斜

029-1.gif

 

 

 

前ページ   目次へ   次ページ

 

 






日本財団図書館は、日本財団が運営しています。

  • 日本財団 THE NIPPON FOUNDATION