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(第2.11図b参照)
鋼材のマーキングやガス切断に使用するものは軽量な簡単なものを使用してもよいが、定盤は、面積が十分あるほど便利であるから加工場はできうる限り広い面積に、丈夫な定盤を配置することが望ましい。
板曲げや管の曲げ加工等火造りにも用いられる定盤は、“蜂の巣”と呼ばれて穴が多くあいた厚いものを使用する。(第2.11図C参照)これは、組立定盤とは区別される。
組立定盤の面積は、その工場の生産量によって変化があるし、また、定盤の使用の回転率によって決定されるが、一般に部材置場の面積を含んだ組立定盤面積は、船台面積の130〜160%ぐらいが適当とされている。
組立定盤が設けられる加工場は、ガス切断や電溶を行う関係で、屋根のある工場がよい。大型のフロック組立は、止むを得ず屋外で行うものが多いが、船台以外は屋内が理想である。
2.4.6整理・整頓
小型船舶を建造している工場を見ると、その大部分は、工場内の整理・整頓が不十分である。甚だしい工場では、創立以来掃除をしたことがないのではないかと思われるくらいで、足の踏み場もないくらいの所もある。これでは、合理的な生産ができるわけがない。管理者は勿論、従業員の一人一人が掃除・整理を心がけなければ、これは実行できるものではない。忙がしくて掃除などやっている間はないという言いわけも聞くが、そうでなくとも狭い狭いとこぼしている人々が、この工場即ち仕事場の整理・整頓に無頓着でいる。これは、全く指導者即ち工場管理者の怠慢であって、現状が乱雑で、不潔で、作業能率を低めているのだという認識がないからで、全く美的なセンスというものが欠如しているとしか思えない現状のものが非常に多い。

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第2.11図a組立定盤

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第2.11図b平板定盤

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第2.11図c蜂の巣定盤

 

 

 

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