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はじめに

 

地域の歴史や自然に根ざした豊かなウォーターフロントづくりは、活力ある地域社会を形成し、充実した市民生活を実現していきます。
港湾は、総合的な空間として発展することがますます求められ、各方面から大きな期待が寄せられています。
一方、欧米諸国や、アジア太平洋諸国においても、ウォーターフロントを地域の核となる賑わい空間として整備し、地域住民の憩いの場や観光客の必見スポットとして注目を浴びている地域が増えてきています。
(財)港湾空間高度化センターでは、平成6年度より日本財団の補助金を受け、「アジア太平洋ウォーターフロント開発に係る共同研究促進事業」を実施しており、諸外国の実務者・研究者を招聘して諸外国とのウォーターフロント開発に関する情報交換を行うとともに、環境と共生し市民に開かれたウォーターフロント開発のあり方に関する共同研究を行っております。
平成8年度は、オーストラリア・シドニー、マレーシア・ジョホールバル、カナダ・トロント及びノルウェー・オスロでそれぞれ特色あるウォーターフロント開発に携わっておられる専門家を我が国に招聘し、神戸及び東京の2カ所でウォーターフロント開発国際シンポジウムを開催しました。シンポジウムには、国、港湾管理者、民間企業等から多数の参加を得て、各国の意欲的な取組につき報告を受け、神戸港、横浜港等我が国の港湾の開発現状との比較も踏まえて、熱心な討議が行われ、21世紀に向けたウォーターフロント開発のあり方を考えるよい機会となりました。
また、オーストラリア・シドニー及びカナダ・トロントの専門家は日本との共同研究者として招聘したものであり、シンポジウムヘの参加以外に2週間の滞在期間内に日本各地のウォーターフロント開発の現状を視察するとともに、運輸省港湾局、各港港湾管理者等との情報交換や(財)港湾空間高度化センターの研究員との意見交換などにより、母国と日本とのウォーターフロント開発の比較研究を行い、相互の理解を深めることが出来ました。
本報告書は、平成8年度の共同研究促進事業の実施記録を取りまとめたものです。

 

平成9年3月
(財)港湾空間高度化センター
理事長代行石渡友夫

 

 

 

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