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▼今回の測定結果をみると、上下への押しつけが不足しているためかあるいは、斜めに押えつけているためか、遊び寸法が大巾に小さくでている人が大半であった。特に径方向の遊び寸法を測定するときには、きちんと上下に押えないと測定値が小さくなりがちであるので注意すること。
▼その他のチェックポイント
?外観の異常チェック、傷、割れなどの有無を点検
?コンプレッサホイール入口側からコンプレッサホイールの傷、変形、割れ等の有無を点検
?タービン排気側からタービンホイールの傷、変形、割れ等の有無を点検
?タービンロータを手で回し、円滑に回るかどうかの点検

3.5 課題4のポイント

〔課題4:与えられたピストンは、頂面(燃焼室)及びピストンリング溝部には亀裂等の異常はないが、ピストンの裏側、ピストンピンボス部周辺及びスカート部にクラック等の問題があるものがある。カラーチェックにより、クラックの有無をチェックし、使用の可否を判定しなさい。)
▼課題でピストン頂部、リング溝部には亀裂はないとなっているにもかかわらず、全面調査している人も見受けられた、課題の内容を良く読み理解することが大切である。
▼ピストンの洗浄が不充分の為に、浸透液がグラックヘうまく浸透せずクラックの判定が不明確になった人も見受けられた。クラックに入っている油分を洗浄液で完全に除去してやらないと浸透液が浸透せず、現像液を吹きつけても浸透液はにじみ出て来ず、傷の発見は出来ない。洗浄に時間をかけている人は少なかった。
▼油分の洗浄が不充分な状態でカラーチェックを行い現像液を吹きつけた時油分がにじみ出て(浸透液ではない)判断にくるしんでいる人も見受けられた。
▼洗浄後すぐ浸透液を吹きつけている人が多く見受けられたが、洗浄液が完全に乾燥するまで待たないと浸透液はクラックに浸透しないので注意が必要である。
▼余分な浸透液は完全に除去しないと浸透液が浮き上って傷とまちがう事がある、反面洗浄液をかけすぎるとクラックに浸透した液まで流し出しクラックが育っても発見出来なくなるので注意する必要がある。洗浄液をウエス等に吹きつけ時間をかけてきれいに拭き取る方法がべターであるがこの様にしていた人は非常に少なかった。
▼現像液は全般に吹きつけすぎの人が多く、中には流れる程吹きつけている人も見受けられた。そのためにクラックが判定できず苦労していた。
▼カラーチェックは正確に出来ている人でクラックの状況を図に書くとき実例をあげると図3−3のように左右をミスしている人が多く見られた。
番号打刻位置が指示されているから、それを基準にして見た通りを図面に書けば良い。今回の状況から判断すると簡単な図面の見方、書き方を覚えておく必要がある。

 

 

 

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