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▼ピストンピンの外径計測位置は連接棒ブッシュを支える部分を計測すべきで、どこを計測してもいいものでない。
▼内径計測はノギスで計測し、基準値を定め、マイクロをその基準値にセットする。そのセットされたマイクロのアンビルとスピンドルの間にシリンダゲージを入れ、ゲージの指針が示す最小値の位置に外周リング(ダイヤルゲージ)の0を合わせる。これをキチンとすることが基本であり、これがいいかげんだと以後の計測はいかに正確に計測しても、すでに誤差を含んでいる。この点がまずい受験者もかなり見受けられた。
▼内径計測后、再度マイクロにシリンダゲージを入れて、ゲージの指針が0を指すことを確認する。0を宿さなかった場合は再度0あわせから計測をしなおすことが必要である。
▼今回のように時間的に余裕がある場合、再度チェックをしてミスのないように心掛けるべきである。
▼継続使用するかしないかの判定については、クリアランスだけでなく、単品についても判断することが必要である。例えばブッシュ内径が許容値を越えていれば当然継続使用不可であり、ブッシュを交換する必要がある。この点の判断をしていない人が見受けられた。

3.4 課題3のポイント

〔課題3:与えられた過給機を分解せずに、異常の有無をチェックし、このまま使用するかオーバーホールに出すか判定しなさい〕
▼本課題での寸法判定は基本的に課題1と同じである。
▼軸方向の遊び寸法測定はクランク軸スラストスキマの測定と同じである。
▼径方向の遊び寸法測定では、ご存知のようにラジアル過給機の軸受はフローティングブッシュであり、このために油膜を生じる個所がブッシュの内外周である為、クリアランスも大きくなっている。計測時、タービンロータを上下に動かすとき、特に下側へも力を入れて押える事が必要で、この状態でダイヤルゲージを0にあわせる。そして上側にタービンロータを押えてダイヤルゲージの目盛を読む。そのあと再度ロータを下側に押しつけて、ダイヤルゲージの針が0を指している事を確認する。0を指していない場合は再度ダイヤルゲージを0にあわせて計測しなおす。
▼径方向の遊び寸法を測定する時は図3−2(a)のように丸い軸に測定子を当てたのでは軸が動くことによりすべることがあるので、測定子の部分をはずして図3−2(b)のように軸端の平面部分を使って計測するとよい。

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図3−2 径方向の測定

 

 

 

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