

図3−1 スラストスキマの測定
▼ダイヤルゲージをクランク軸端に当てる場合、軸心に近いところに測定子を当てること、又、クランク軸を動かすときは、クランク軸端が振れないように動かすこと。
ハズミ車がついている場合にかなり外側へ測定子を当てている受験者が見られた。これではハズミ車又はクランク軸端の振れも含めて測定することになり、測定値に誤差が生じる。これに上記のミスがかさなると、誤差は更に大きくなることを知ること。
▼クランク軸を右側(又は左側)に押しつけてダイヤルゲージの目盛を0にあわせたあとクランク軸を左側(又は右側)に押しつけてダイヤルゲージの目盛を読む。そのあとで再度、クランク軸を右側(又は左側)に押しつけてダイヤルゲージの針が0を指している事を確認する。0を指していない場合は、再度0にあわせて計測しなおすこと。
▼時間に余裕があれば、2〜3回計測をくりかえして、ミスしていないかチェックすることが大切である。この場合ダイヤルゲージの当る位置はかえてみると良い。1回だけの計測でOKとすることは計測にミスがあっても判らないので2〜3回は計測すること。
▼クランク軸を移動する際、力まかせにやらないこと。小型エンジンの為、変形する事も考えられる。従って変形量まで加味した値となる恐れがある。
▼トルクレンチを使用し、2〜3回に分け交互に片締めにならないように締付けることは当然であるが、その都度クランク軸が軽く回ることを確認するとともに最後はトルクレンチの副尺目盛まで正確にあわせて締付けること。
3.3 課題2のポイント
〔課題2:与えられたピストンピンと連接棒小端ブッシュとのクリアランスを測定し、継続使用の可否を判定しなさい。〕
▼ピストンピンの計測については読み間違いがないか、ノギスで確認することが大切である。すなわちマイクロによる外径計測のミスは大半が読み違いであることを知るべきだ。
▼連接棒小端ブッシュの内径計測は計測位置の指示がない場合、課題の内容よりして一番摩耗している方向とその直角方向を軸方向2ヶ所について計測すること。
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