
2. トラブル予防チェックマニュアル
2.1 事故例と解説
1. 燃料油関係
(1)燃料中に含まれている触媒のアルミナ(Al2O3)微粒子(5〜10μ)による異常摩耗
▼流動接触分解油(FCC油)には、分解精製過程で使用される触媒粒子のシリカーアルミナが微粒子として残存している。このFCC油をディーゼル機関の燃料油として使用すると、次のような障害が発生することがある。
?燃料噴射ポンプ・プランジャの早期摩耗
?ピストンリング・シリンダライナの早期摩耗
▼外航船用に輸入されたMD0(マリンディーゼルオイル)又は海外の港で給油する際に、MD0は価格が安いからといって使用はしないこと、この燃料はFCC油であり、アルミナ(Al2O3)が微粒子として残存している。
▼このアルミナ(Al2O3)は通常の精密こし器では瀘過困難であり、航海500〜1000時間程度で噴射ポンププランジャ、ノズル、ピストンリング、シリンダライナ等に異常摩耗を起す。
▼アルミナ(Al2O3)の微粒子による損傷例(舶用補機、稼動的500時間)を図2−1に示す。

図2−1 損傷例 舶用補機・稼動的500H
前ページ 目次へ 次ページ
|

|