
1.3 その他
(1)新潟ニューZP−31型大型Zペラ
1. はじめに
この度ZP−21型(1988年)、ZP−11型(1991年)に続くニューZPシリーズの第3段として「ZP−31型」を開発しました。そしてその1号機を1995年5月に株式会社武丸海運殿御建造の最新鋭船に納入させて戴きました。
以下に「ZP−31型」Zペラの概要を紹介します。

写真−1 ZP−31型
2. 主要目
ZP−31型はZP−21型の1つ上のクラスの容量を持つ機種として設計しました。表−1に主要目の比較を示します。
3. 開発目的
ZP−31型は表一日こ示す様に定格馬力1544kw(2100PS)で、旧シリーズのZP−3B型と同容量です。
現在国内のハーバータグボート市場は3000〜3600PSタグボート向けが主流を占めております。しかし、時代の趨勢もあって、1990年以降国内でも大型クレーン船やケーソンを曳航して国内を広く行動するタグボートや商船速を要求されるエスコート兼用タグボートとして4000PS(2942kw)、あるいはそれ以上の馬力を有するタグボートの建造が増加してきております。
これらの需要に対して当社としては従来からZP−3B型を納入しておりました。
ところがZP−3B型では旧シリーズ設計の為、もっと小型・軽量化を計れないか等の御客様の御要望に十分お応えすることができませんでした。
またZP−21型が市場に投入された時、旧型ZP−2Aに代わるZP−21/2A(3100PS(2280kw)タグ)としては、プロペラ直径が1860mmから2000mmに大きくなった事により、大幅な曳力の増加が得られました。しかし、旧型ZP−3Aに代わるZP−21/3A(3600PS(2648kw)タグ)としては、プロペラ直径がいずれも同じ2000mmであった事から、大きな曳力増加が得られず、3600PSタグに対してもっと高性能のZペラをとの声も聞かれました。
それらを解決しようと開発したのがZP−31型です。ZP−31型は、旧1800PS(1324kw)対応機種でありましたZP−3A型(台床径3300mm乾燥重量18t)並みの大きさに抑え、なおかつZP−3B型(馬力2100PS(1544kw)プロペラ直径2200mm)と同等の出力を成立させることができました。
これにより今まで以上に国内での大型タグボート市場に貢献できるものと期待しております。
4. シリーズ化
前述しましたようにZP−31型の開発により、ニューZペラはZP−11・ZP−21・ZP−31と3機種揃いました。
表−2にZペラとニイガタ主機関の組み合わせを示します。800〜2100PS(588〜1544kw)までの広い範囲で対応が可能となりました。
5. 構造
ZP−31型の構造は図−1に示すようにZP−11及びZP−21型とほぼ同一です。これまでの実績を踏まえながらその特長を下記します。
・小型化
寸法・質量共に従来機種ZP−3B型(台床寸法3600mm乾燥質量24t)に比べ大幅に低減しました。また据付面からの高さは530mmとZP−3Aの875mmに比べても低減しユニバーサルジョイントの曲がり角度を小さくする事によりベアリングの寿命の延長を図りました。
・小型高精度ベベルギヤ
ZP−11及びZP−21型で実績のあるベベルギヤと同じ思想で設計されております。(高効率化・低騒音化)
・魚網浸入防止
三崎式ロープガードを装着しています。ZP−11及びZP−21型の実績を見ると本装置はシールへの魚網や釣糸の浸入防止に有効です。
前ページ 目次へ 次ページ
|

|