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りして誤差を生じやすい。
4)動いているものを測らないこと
動いているものを測ると、被測定物や測定器をいためるばかりでなく、非常に危険である。また、振動の大きい場所での測定は、測定器の寿命を縮めるので測定場所を変えることが望ましい。
5)視差が生じないよう配慮すること
ななめの位置から読むと、大きな誤差を生じる。必ず目盛の真上から読むようにする。
6)使用前に必ず点検すること
特にゼロ点が合っているかどうかを調べる。
7)温度誤差を生じないよう配慮すること
金属は温度の影響で伸び縮みする。たとえば、1℃の温度変化に対して長さ1mmのステンレス鋼は8.0×10-6mm、鋼は10.5×10-6mm、銅は14×10-6mm、黄銅は18.5×10-6mm変化する、つまり、1mの黄銅棒は10℃上がると約0.2mm伸びることになる。測定器は標準温度で正しい値を示すように作られており、JISでは20℃に決められている。
8)測定器の摩耗に注意すること。
測定面は、摩擦によって摩耗しやすい。特にマイクロメータのアンビルスピンドルの測定面やスケールのゼロ端面などには、注意を要する。
9)定期的に精度の検査を行うこと
10)定められた場所に保管すること
保管場所は温度変化の小さい、比較的低湿で振動のない場所がよい。

2. 計測器具

2.1 長さの測定
長さの基準器として線基準、端面基準、および光波基準があり、線基準は平行に引かれた目盛線間の距離、端面基準は2つの互いに平行な平面、光波基準は特定の元素の原子スペクトル線の波長をそれぞれの長さとして用いようとするものである。
従来の第一次基準は国際メートル原器の表わす1メートルの長さであったが最近は光波長を第一次基準とし、線基準や端面基準を第二次基準としている。
1)線基準
1mの長さをdm、cm、mmなどに等分して目盛がなされている。通常は100〜500mmで断面がH形又は矩形をしたスケールが用いられている。一般に用いられているスケールは最小目盛が0.5又は1.0mmである。

 

 

 

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