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5. 可変ピッチプロペラ装置

可変ピッチプロペラ装置とは、プロペラピッチ角を前進から後進まで自由に変えることができる機構をもったプロペラをいう。
可変ピッチプロペラ装置の構造は大別して次の5つの部分から成っている。
?プロペラ軸……プロペラ軸、変節軸、船尾管
?プロペラ本体……羽根、ボス、ピストンロッド(クロスヘッド)、クランクピン
?変節装置……給油軸、給油箱、シリンダー軸、ピストン、変節油ポンプ
?遠隔操縦装置……遠隔制御装置、機側制御装置、翼角指令伝達装置
?非常用翼角固定装置
現在、各種の可変ピッチプロペラ装置が製作されているが、本章では主機関出力3,000PS程度の可変ピッチプロペラ装置の構造について述べる。
可変ピッチプロペラ装置の基本的な構造は特殊のものを除いては、油圧サーボ機構(サーボモータ)とプロペラボス内部の変節機構とを中空のプロペラ軸の中を通る変節軸によって連結し、変節油ポンプからの油圧を原動力としてサーボピストンにより変節軸を前後に動かし、プロペラボス内部の変節機構によってプロペラのピッチ角を変えるものである。
5.1 ボス内部の変節機構
ボス内部の変節機構は3・48図に示すように、プロペラ本体には、それぞれ独立した羽根と、その羽根を取付けるボスと、プロペラ羽根の角度を変えるための変節機構から成っている。変節機構はサーボモーターで得られたピストンの往復運動を回転運動に変換しこれをプロペラボス上に設けられた羽根に伝達する機構である。
変節機構の変節の方法には3・48図に示すピンスロット型(a)、クランクロッド型(b)、クラシクスロット型(c)の3種類がある。

 

 

 

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